ゲームの「図鑑コンプリート」思考を日常に。家事・育児・暮らしを「揃える」遊び心
日々の生活の中で、私たちは様々なタスクに追われています。家事、育児、仕事、自分のこと。終わりが見えないと感じたり、単調に思えたりすることもあるかもしれません。そんな時、ゲームの世界からヒントを得て、日常に目標設定と達成感を生み出す「遊び心」を取り入れてみてはいかがでしょうか。
今回のテーマは、ゲームにおける「図鑑コンプリート」や「コレクション完成」という要素から学ぶ日常への応用です。
ゲームの「図鑑コンプリート」とは
多くのゲームには、登場するキャラクター、アイテム、モンスター、達成したイベントなどが記録される「図鑑」や「コレクション」といった機能があります。プレイヤーは、これらを全て集める(コンプリートする)ことを一つの目標としてゲームを進めることがあります。
これは単に「集める」だけでなく、「リストを埋める」「網羅する」という明確な目標設定と、それに向かって進む過程、そして完成させた時の大きな達成感を生み出します。一つ一つ項目が埋まっていくのを見るのは、非常に心地よいものです。
なぜ「コンプリート」は日常の遊び心につながるのか
この「コンプリート」思考は、私たちの日常に潜む「遊び心」を引き出す鍵となります。
- 目標の可視化: 漠然としたタスクを具体的な「リスト項目」として捉えることで、何を目指しているのかが明確になります。
- 進捗の実感: リストの項目が一つずつ埋まっていく過程で、自分がどれだけ進んでいるのかを実感できます。これがモチベーション維持につながります。
- 達成感: 全ての項目を埋めた時の達成感は格別です。ゲームのように大きな報酬があるわけではなくても、「やりきった」という感覚は、日常に大きな満足感をもたらします。
- 発見と探求: リストを埋める過程で、知らなかったことや新しい方法を発見することがあります。これはゲームで新しいエリアやアイテムを見つける探求心に似ています。
日常の「コンプリート」リストを作成するアイデア
それでは、具体的にどのようなことを「コンプリート」の対象として日常に取り入れることができるでしょうか。家事や育児、そしてご自身の時間に関連するいくつかのアイデアをご紹介します。
家事編:効率と楽しさを両立するリスト
- 冷蔵庫・在庫リスト: 冷蔵庫の中身をリスト化し、使い切ったらチェック。常備している調味料や乾物などもリストアップし、買い足したらチェックします。「冷蔵庫の中身図鑑コンプリート(週単位)」のような感覚で、食品ロス削減や献立作りにも役立ちます。
- 掃除箇所リスト: 部屋ごと、箇所ごとに掃除する場所をリスト化します。「リビング徹底掃除図鑑」「キッチン排水口周辺コンプリート」のように、普段見過ごしがちな場所も含めてリストアップし、完了したらチェックします。
- 献立リスト: 作ったことのある料理や、これから作りたい料理をリスト化します。新しいレシピに挑戦したらリストに追加するなど、「我が家の食卓図鑑」を充実させていく楽しみがあります。
- 片付け・収納場所リスト: 引き出し一つ、棚一段など、細かく区切って片付け・収納場所のリストを作ります。「クローゼット上段コンプリート」「キッチンツール引き出し図鑑」のように、片付けた場所をリストで管理すると、どこまでやったか、どこが残っているかが明確になります。
育児編:成長の記録と思い出作りリスト
- 子供の「できるようになったこと」リスト: 首がすわった、寝返りを打った、立った、歩いた、特定の言葉を話したなど、子供の成長マイルストーンをリスト化します。「成長図鑑」として記録していくと、日々の変化を見逃さずに済み、後で見返した時に大きな喜びを感じられます。
- 一緒に読んだ絵本リスト: 子供と一緒に読んだ絵本のタイトルをリストアップします。「我が家の絵本図鑑」として記録すると、次に読む本を選ぶ参考にもなり、子供が大きくなった時に思い出を振り返ることができます。
- 一緒に作ったものリスト: 工作、料理、ブロック作品など、子供と一緒に何かを「作った」記録をリスト化します。「思い出制作図鑑」として、写真と一緒に記録するのも良いでしょう。
- 行った場所・イベントリスト: 子供と一緒に出かけた場所(公園、図書館、動物園など)や参加したイベントをリスト化します。「お出かけ図鑑」を作成することで、次の行き先を考えるヒントになり、家族の思い出が可視化されます。
自分時間編:暮らしを豊かにするリスト
- 読みたい本・観たい映画リスト: 気になる本や映画のタイトルをリストアップし、読み終えたり観終えたりしたらチェックします。「読書図鑑」「映画鑑賞図鑑」として記録すると、自分の興味の傾向が見えてきたり、積読・積視聴を防いだりできます。
- 「やりたいこと」リスト: 挑戦したい趣味、習得したいスキル、行ってみたい場所など、漠然とした願望を具体的なリストにします。「人生の探求図鑑」として、達成に向けて少しずつ取り組む過程を楽しむことができます。
- 集めているものリスト: レシピの切り抜き、おしゃれな写真、好きな雑貨など、個人的に集めているもののリストやカタログを作成します。「マイコレクション図鑑」として整理することで、改めて自分の「好き」を認識し、新たな発見があるかもしれません。
「コンプリート」を楽しむためのヒント
日常の「コンプリート」を楽しむためには、いくつかの小さな工夫が役立ちます。
- 完璧を目指しすぎない: ゲームの図鑑も、最初から全てを埋めることは稀です。日常のリストも、未完成でも全く問題ありません。まずは小さなリストから始めてみましょう。
- 小さな単位で区切る: 家事一つをとっても、「家中の片付け」ではなく「引き出し一つ」「棚一段」のように、達成しやすい小さな単位でリスト化するのが継続のコツです。
- 進捗を可視化する: ノートに書き出す、チェックリストアプリを使う、ホワイトボードにリストを貼るなど、リストと進捗がいつでも確認できるようにします。項目が埋まっていくのが目に見えると、モチベーションが維持されやすくなります。
- 達成したら小さなご褒美を用意する: 一つのリストをコンプリートしたり、目標の半分を達成したりしたら、好きなお菓子を食べる、短い休憩をとるなど、自分への小さなご褒美を用意します。ゲームでアイテムや経験値を得るように、達成感をより強化できます。
- 「発見」を楽しむ: リストを埋める過程で、新しい情報やアイデアに出会うことがあります。それをゲームの「隠し要素発見」のように楽しむ視点を持つことが大切です。
- 家族や友人と共有する: 特に育児関連のリストなどは、家族と共有したり、他の親御さんと情報交換したりすることで、より楽しく継続できる場合があります。「〇〇図鑑、一緒に埋めよう」と声をかけてみるのも良いかもしれません。
まとめ
ゲームの「図鑑コンプリート」という遊び心は、単に何かを全て集めるという行為に留まらず、目標設定、進捗管理、達成感、そして発見の喜びといった、人生を豊かにする多くの要素を含んでいます。
日々の家事や育児、そしてご自身の目標を「コンプリート」すべきリストとして捉え直し、項目を一つずつ埋めていく過程を楽しむことで、単調に思えた日常が目標と達成感に満ちた、より遊び心あふれるものに変わるかもしれません。完璧を目指す必要はありません。まずは小さなリストから、自分なりの「日常コンプリート」を始めてみてはいかがでしょうか。