ゲームの「パズル」から学ぶ、家事の段取り・収納を楽しくする遊び心
忙しい日々の中、家事や収納を「楽しむ」視点
日々の家事や育児に追われていると、どうしても目の前のタスクを「こなす」ことに精一杯になりがちです。洗濯、掃除、料理、片付け。終わりが見えないルーティンワークは、時に単調でストレスを感じさせることもあります。
もし、こうした日常の作業に、少しでも楽しみを見つけ、効率的に進めることができたら、暮らしはもっと豊かになるかもしれません。今回は、ゲームの「パズル」という視点から、家事の段取りや収納を楽しく、そして遊び心を持って取り組むヒントを探っていきます。
ゲームにおける「パズル」の本質とは
ゲームにおける「パズル」要素と一口に言っても、様々な形態があります。例えば、バラバラになったピースを組み合わせて一枚の絵を完成させるジグソーパズル。限られたスペースに、形の異なるブロックを効率よく配置する落ち物パズル(例:テトリス)。複雑に入り組んだ道を通り抜けたり、特定のアイテムを正しい場所に使ったりする謎解きアドベンチャーゲームの一要素としてのパズル。あるいは、倉庫内の荷物を特定の場所に移動させる思考型パズル(例:倉庫番)。
これらのゲームに共通するのは、「与えられた要素(ピース、ブロック、アイテムなど)を、特定のルールや制約の中で組み合わせたり、配置したり、手順を考えたりすることで、目的を達成する」というプロセスです。ここには、論理的思考、空間認識、問題解決能力、そして何より「試行錯誤を楽しむ」という遊び心が詰まっています。
日常生活への応用:家事の段取りを「パズル化」する
このゲームの「パズル」の視点を、日々の家事に応用してみましょう。家事の段取りは、まさに複数のタスクという「ピース」を、限られた時間という「スペース」や、家族の状況という「ルール」の中で、効率よく組み立てるパズルと捉えることができます。
例えば、毎日の献立作り。冷蔵庫にある残り物というピース、家族の好みや栄養バランスというルール、使える時間というスペース。これらを組み合わせて、最適な夕食という完成図を目指すパズルです。今日はある材料を使い切りたい、明日は下準備に時間がかけられない、といった制約の中で、どう組み合わせるかを考えるのは、ある種の思考ゲームと言えるでしょう。
洗濯、掃除、買い物といった複数の家事をこなす際も、「手順パズル」として考えてみましょう。今日は午前中にこれを済ませたい、あの店の営業時間は何時まで、子供のお昼寝中にできることは何か。移動時間や所要時間も考慮に入れながら、最も効率の良いルートや順番を組み立てることは、まさに論理的な思考と試行錯誤が求められるパズルです。
さらに、忙しい日々の「スキマ時間」の活用も、パズルとして捉えられます。子供が少しの間静かに遊んでいる数分間、煮込み料理を火にかけている間。この限られた「スペース」に、何をするかという「ピース」をどう組み込むか。短い時間でできること(メールチェック、ストレッチ、読書の一区切りなど)をリストアップしておき、その日のスキマ時間に合わせて最適なピースをはめ込んでいく感覚です。
日常生活への応用:収納を「パズル化」する
モノの収納も、パズルの視点が非常に役立ちます。特に、限られた収納スペースをいかに有効活用するかは、まさにテトリスのような空間認識パズルです。
引き出しの中を整理する際、大きさや形が異なる様々なモノを、いかに効率よく収め、かつ取り出しやすく配置するかを考えます。使用頻度の高いものを手前に、形状を考慮して立てて収納するなど、最適な「配置」を見つけるプロセスです。見た目がすっきり整うと、ゲームをクリアしたような達成感を得られることもあります。
子供のおもちゃ収納も、パズル感覚で取り組めます。形も素材もバラバラな大量のおもちゃを、どのように分類し、決められた場所に収めるか。大きめの箱という「スペース」に、小さなおもちゃという「ピース」をどう効率よく詰めるか、色や種類で分類してそれぞれの箱に「ぴったりはまる」ように考えるなど、子供と一緒に楽しみながら取り組むことも可能です。「これはこの箱のピースだね!」のように声をかけることで、子供も片付けをゲームのように捉えやすくなるかもしれません。
遊び心を取り入れるためのヒント
こうした「パズル化」の視点を、気負わずに日常生活に取り入れるためのヒントをいくつかご紹介します。
- 完璧を目指さない: ゲームも一度で完璧にクリアできるとは限りません。最初から完璧な段取りや収納を目指す必要はありません。まずは試しにやってみて、うまくいかなければやり直せば良いのです。試行錯誤そのものを楽しむ姿勢が大切です。
- 小さな範囲で始める: 家全体の収納や一日の全ての家事をパズル化するのは大変です。まずはキッチンの引き出し一つ、今日の夕食の献立、といった小さな範囲から始めてみましょう。成功体験が積み重なれば、自然と他の場所にも応用したくなります。
- 視覚的に楽しむ: 整理整頓した場所を写真に撮って記録する、家事のチェックリストを作ってタスク完了にチェックを入れるなど、達成感を視覚的に捉えられるようにすると、モチベーション維持に繋がります。ゲームのクリア画面やスコアを見るような感覚です。
- ゲームの達成感を意識する: 献立が無事に完成した、引き出しが綺麗に片付いた、一日のタスクをリスト通りに終えられた。こうした一つ一つの「できた!」を小さなクリアとして意識し、自分自身を褒めてあげましょう。
まとめ
ゲームの「パズル」要素から学べる、論理的思考、空間認識、試行錯誤、最適化といった考え方は、日々の家事の段取りや収納に遊び心を持って取り組む上で非常に役立ちます。
日常のルーティンワークを単に「こなす」のではなく、どうすればもっと効率よくできるか、どうすればもっと心地よい空間になるか、とゲーム感覚で「パズル」として捉え直すことで、マンネリが解消され、新たな発見や小さな達成感が生まれることがあります。
完璧を目指す必要はありません。まずは身近な小さなことから、ゲームのパズルを解くような感覚で取り組んでみてはいかがでしょうか。そこに、日々の暮らしをより豊かにする「遊び心」を見出すことができるはずです。