はじめての「遊び心」デザイン

ゲームの「装備スロット」を日常に。持ち物・服装で「気分」を切り替える遊び心

Tags: 遊び心, ゲームから学ぶ, 日常生活, ファッション, 持ち物, 気分転換, 自己肯定感

日常の「装備」で気分を変えるということ

日々の暮らしの中で、朝の服選びや外出時の持ち物選びは、つい「無難に」「早く済ませよう」と考えてしまう作業かもしれません。特に慌ただしい時間の中では、機能性や習慣に沿って選びがちになり、そこに特別な意味や楽しみを見出す余裕がなくなることもあります。

一方で、ゲームの世界では、キャラクターの「装備」を選ぶことは、戦略を左右したり、見た目を変化させたり、時にはキャラクターの気分を表現したりする大切な要素です。武器や防具を変えることで能力が向上するように、アクセサリーやコスチュームを変えることで見た目が一新され、プレイヤーのモチベーションにもつながります。

このゲームにおける「装備」の考え方を、私たちの日常の服装や持ち物選びに応用してみることで、いつものルーチンに小さな変化と楽しみ、そして「遊び心」を加えてみることができます。

ゲームの装備に学ぶ、日常を彩る視点

ゲームの装備品は、単にキャラクターを強くするためだけのものではありません。そこにはいくつかの役割があり、それらを日常のアイテム選びに置き換えて考えることができます。

1. 機能性と目的意識

ゲームの装備には、攻撃力や防御力を上げる、特定の状態異常を防ぐ、移動速度を上げるなど、明確な機能があります。これを日常に置き換えると、その日の予定や活動内容に合わせた「機能性」を意識した服装や持ち物を選ぶことになります。

例えば、子供と公園で思い切り遊ぶ日であれば、「動きやすさ」や「汚れにくさ」、そして「ポケットが多くて便利」といった機能を持つ服を選ぶのが良いでしょう。雨の日であれば、「防水性」はもちろん、雨の憂鬱な気分を晴らすような「明るい色」の傘やレインシューズを選ぶことも、機能性+αの装備と捉えられます。

その日の目的に最適な「装備」を選ぶという視点を持つことで、単なる服選びが「今日のミッションを快適に遂行するための準備」という、少し楽しいタスクに変わります。

2. 見た目の変化と自己表現

多くのゲームでは、装備によってキャラクターの見た目が大きく変わります。お気に入りの装備でキャラクターを飾り付けるのは、ゲームの大きな楽しみの一つです。これは、自己表現や気分転換につながる要素です。

私たちの日常においても、服装や持ち物は自分自身を表現する手段であり、また、自分の気分に影響を与えます。今日は少し明るい色の服を着てみよう、お気に入りのアクセサリーをつけてみよう、といった選択は、ゲームでキャラクターの見た目を変えるのと同じように、自分自身の気分を変化させる力を持っています。

もし気分が乗らない日でも、あえて好きな色の服を着てみたり、見るたびに心が和む小物をバッグに入れてみたりすることで、少しだけ前向きな気持ちになれることがあります。これはまさに、自分自身の「見た目」を整えることで、内面の状態にも働きかける「装備変更」と言えるでしょう。

3. シーンに合わせた「装備セット」

ゲームでは、敵や状況に合わせて装備を素早く切り替えられるように、「装備セット」を登録できることがあります。これを日常に置き換えると、特定のシーンや活動内容に合わせた「服装と持ち物のセット」を考えておくことになります。

例えば、「保育園お迎えダッシュ装備」(動きやすい服、すぐに取り出せる鍵やスマホのポケット、最低限の荷物が入る小さなバッグ)、「近所のスーパー買い物装備」(エコバッグ必須、両手が空くショルダーバッグ、体温調節しやすい羽織物)、「子供とのんびり散歩装備」(歩きやすい靴、帽子、飲み物、子供のおやつや遊び道具を入れるリュック)など、自分にとってよくあるシーンを想定して、「この状況なら、この装備セットが最適だな」と考えてみるのです。

あらかじめセットを考えておくことで、忙しい時でも迷うことなく準備ができ、さらにそれぞれの「装備セット」に名前をつけてみると、準備自体が少し楽しいゲームのように感じられるかもしれません。

日常に「装備スロット」思考を取り入れるヒント

では、具体的にどのように日常にこの「装備スロット」の考え方を取り入れられるでしょうか。

このように、日常の些細なアイテム選びや身支度に「装備」というゲーム的な視点を加えることで、マンネリ化しやすい日々に目的意識や楽しみを見出すことができます。

まとめ

ゲームにおける「装備」は、キャラクターの能力を高め、見た目を変化させ、プレイヤーの没入感を深めます。この考え方を応用し、日常の服装や持ち物を、その日の自分の状態や目的に合わせて意識的に選ぶ「装備変更」として捉え直してみることで、いつものルーチンワークに新たな遊び心を見出すことができます。

機能性を考慮した「実用装備」、気分を上げる「おめかし装備」、特定のシーンに対応する「特別装備セット」。これらを考えることは、自分自身を整え、日々のタスクに前向きに取り組むための小さな工夫となります。

大掛かりなことではなく、今日身につけるアクセサリー一つから、バッグに入れるお気に入りのペン一本から、始めてみませんか。自分自身の「装備スロット」を楽しみながら埋めていくことで、きっと日常が少しだけ、面白く、そして豊かに感じられるはずです。今日の自分は、どんな「装備」で一日を過ごしますか。