はじめての「遊び心」デザイン

ゲームの「セーブポイント」活用術を日常に。中断だらけの時間を楽しむ遊び心

Tags: 遊び心, ゲーム, 日常, 家事, 育児

はじめに:日常は中断の連続

私たちの日常生活は、思いがけない中断の連続かもしれません。特に育児や家事に追われる日々では、「さあ、これをやろう」と思った矢先に子供に呼ばれたり、宅配便が届いたり、電話が鳴ったりと、作業が中断されることは日常茶飯事です。一つのタスクに集中したくても、なかなかそれが難しいと感じる方もいらっしゃるでしょう。

このような「中断だらけ」の状況は、時にストレスや焦りを生み、「何もかも中途半端になってしまう」という感覚につながることがあります。しかし、この状況を少し違った視点から捉え、日常にもっと「遊び心」を取り入れるヒントを、ゲームの世界から学んでみましょう。

ゲームのセーブポイントが教えてくれること

多くのゲームには、「セーブポイント」や「中断セーブ」といった機能が存在します。これは、ゲームの進行状況を記録し、いつでもそこから再開できるようにするためのものです。この機能には、いくつかの重要な役割があります。

まず、安心感です。いつでも中断できるという安心感があるからこそ、プレイヤーは一時的な離脱を恐れずに済みます。次に、区切りです。特定の場所やタイミングでセーブすることは、「ここまでは完了した」という意識的な区切りになります。そして、休憩の重要性です。セーブポイントは、一息ついて状況を整理したり、体勢を立て直したりするための休息の機会も提供します。

もしゲームにセーブ機能がなく、一度中断したら最初からやり直しになってしまうとしたら、多くの人は安心してプレイできないでしょう。この「いつでも中断・再開できる」という考え方を、私たちの日常生活に応用してみるのです。

日常生活に「マイ・セーブポイント」を設置するアイデア

ゲームのセーブポイントの考え方を日々の生活に取り入れることで、中断が多い状況でも焦らず、むしろそれを活用してメリハリをつけることができるかもしれません。

家事や作業の区切りを意識する

ゲームのセーブポイントのように、意識的に作業の区切りを設定してみましょう。「この部屋の片付けが終わったら一区切り」「洗濯物を畳み終えたらセーブポイント」のように、タスクごとに小さな完了地点を設けるのです。これにより、たとえ途中で中断が入っても、「ここまでやった」という達成感を得やすくなります。すべてを完璧に終わらせなくても、「セーブしたから大丈夫」という安心感が生まれます。

短い休憩を「セーブポイント」にする

ゲームでセーブした後に少し休憩するように、日常生活でも意図的に短い休憩時間を作りましょう。育児や家事の合間の数分でも構いません。この短い時間を、ゲームのセーブポイントのように「ここで一息、リフレッシュ」と意識するのです。ただぼんやり過ごすのではなく、例えば好きな飲み物を一口飲む、窓の外を眺める、簡単なストレッチをするなど、意識的なリフレッシュを取り入れることで、短い時間でも気分を切り替えやすくなります。

再開をスムーズにする工夫

ゲームでは、セーブした状態からスムーズに再開できます。これを日常で再現するために、中断する前に再開しやすくする工夫をしてみましょう。例えば、料理の途中で中断するなら、「次は野菜を切るところ」と心の中で確認したり、紙にメモしたりします。片付けなら、次に扱う場所の近くに道具を置いておくのも良いでしょう。これにより、再開時に「次は何をすればいいんだっけ?」と迷う時間を減らし、スムーズに作業に戻ることができます。

中断をネガティブに捉えない視点

ゲームで中断が入ることは、次に備えるチャンスでもあります。日常生活においても、急な中断をネガティブな出来事とだけ捉えない練習をしてみましょう。中断は、必ずしも「邪魔された」のではなく、「ここで一度立ち止まり、状況を整理する、あるいは短い休憩を取る機会が与えられた」と見なすのです。「ここでセーブしたから大丈夫」というゲーム的な安心感を意識することで、中断に対するストレスを軽減し、気持ちを切り替えやすくなります。

子育てに応用する「セーブポイント」

子供との活動にも、この「セーブポイント」の考え方は応用できます。例えば、一緒に絵本を読む時間、ブロック遊びの時間など、「ここまでできたら今日のセーブポイントにしようね」と声かけをすることで、子供にも見通しを持たせ、区切りを意識させることができます。これにより、活動の終わり際に起こりがちなぐずりや抵抗を減らし、次の行動への移行をスムーズにする手助けになるかもしれません。

一人時間の「セーブポイント」で楽しむ

育児や家事の合間に、ご自身の趣味や学びの時間を持つ方もいらっしゃるでしょう。しかし、短い時間しか取れなかったり、途中で中断されたりすることも多いかもしれません。読書や勉強、ハンドメイドなど、一人で集中したい活動でも「この章まで読んだらセーブ」「ここまで作ったら今日のセーブポイント」と決めておけば、短い時間でも安心して取り組めます。中断されても、「次に再開する時はここからだ」と分かっているので、再び始める時のハードルが下がり、「また今度時間ができた時に」と先延ばしにしにくくなります。

おわりに:中断を遊び心に変える

日常生活における「中断」は避けられないものです。しかし、ゲームの「セーブポイント」という概念を借りて、中断を「作業を区切り、リフレッシュし、スムーズに再開するための意識的なポイント」と捉え直すことで、忙しい日々にもメリハリと遊び心を取り入れることができます。

完璧を目指すのではなく、小さな「セーブポイント」を積み重ねる感覚で日常を送ってみてください。中断されることへのストレスが減り、むしろ「ここまで進んだぞ」という達成感や、「次は何をしようかな」という前向きな気持ちが生まれるかもしれません。日々の小さな「遊び心」が、忙しい毎日をより心地よく彩ってくれることを願っています。